2015年6月23日火曜日

著作権の登録について(1) ~ 著作物(著作権)の譲渡をする場合

著作権の登録制度をご存知でしょうか?

著作権は、著作物が創作された時に発生するものであり、無方式主義を採用しているから、登録は必要ないし意味がない、と考えている方もいらっしゃいます。

確かに、著作権における登録は著作権の発生要件ではありません。


著作権の登録の効果とは、ある事実について推定を与えたり、第三者に対する対抗要件を付与したりするものです。

「対抗要件」とは、他人に対して自分の権利等を主張するための根拠です。

著作権法には、次の4つの登録制度が定められています。このうち、(3)はプログラムの著作物のみの制度です。
 (1)実名の登録 → 著作者の推定
 (2)第一発行年の月日登録 → 発行又は公表日の推定
 (3)創作年月日の登録 → 創作年月日の推定
 (4)著作権の登録 → 権利の変動等に対する第三者対抗要件の付与 

まず、(4)について説明しましょう。

Aさんは自分が有する著作権をBさんに譲渡した。
その後、Aさんは同じ著作権をCさんに譲渡した。
という場合、その著作権の譲渡を受けるのはどちらでしょうか?

この場合、Cさんが「著作権譲渡の登録」をすれば、CさんはBさんに対抗できる(権利の取得を主張できる)ことになります。
先に譲渡を受けたとしても、Bさんは権利を取得できなくなります。

Bさんとしては「契約書があるから安心だ」と思っていても、そうではないことがお分かりいただけるでしょうか?
これは、不動産の売買と同じような仕組みです。

著作権の譲渡やライセンスを受ける場合には、まずその相手方に権利があることの確証を求める必要があり、さらに譲渡の場合にはその登録をしておく必要があります。

登録は権利発生要件ではないので、実際にはあまり利用されていないのではないかと思います。
しかし、著作権表示(Ⓒマークなど)が著作権者を推定するものではないという点から考えても、登録制度の積極的な活用を検討すべきでしょう。


なお、著作権の登録は、プログラムの著作物については、一般社団法人ソフトウェア情報センター(SOFTEC)に対して行い、それ以外の著作物については文化庁に対して行います。

SOFIECのHP  http://www.softic.or.jp/touroku/index.html


○ 著作権の登録に関するご相談、ご依頼は、こちらからどうぞ。


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