2015年10月1日木曜日

著作権(法)はメンドクサイ? ~ 著作権者って誰やねん!?

知的財産権の中でも、著作権(法)はメンドクサイもののように思われます。

今回のメンドクサイ話は、「著作権者って誰やねん!?」です。

前回は、「著作者ってだれやねん!?」でした。

著作者と著作権者って
あぁっ! もう、メンドクサイ!


ハイ、さて。

著作権法の世界では、「著作者」と「著作権者」ははっきりと分かれています。

単純には、
 「著作者」 ・・・ 著作物を創作する者
 「著作権者」 ・・・ 著作財産権を有する者
となります。

さらに、著作権は、「創作の時」に生じるとされているので、
原則として、(最初は)
 「著作者」 = 「著作権者」
になります。

なんだ、簡単ではないか、と思われるかもしれませんが、メンドクサイのはここからです...


‘原則として’と書いたように、例外があるわけです。

一つは「職務著作」で、もう一つは「映画の著作物」です。

 職務著作 ・・・ 法人等が「著作者」になる
 映画の著作物 ・・・ 映画製作者が「著作権者」になる
ということになります。

職務著作の場合、創作者である個人が「著作者」にもなりません。

従って、創作者に「著作財産権」もありません。


映画の著作物の場合は、創作的に寄与した人が「著作者」にはなりますが、「著作財産権」は有さないということになります。


また、「著作財産権」は譲渡することができますし、さらに著作権者が死亡すれば相続の対象にもなります。

相続人が複数いると、著作財産権は共有になって... と、権利者が増えることになる可能性があります。

増えるだけならまだしも、相続人が誰か分からず、誰が権利を持っているか分からない、というケースも出てきます。


さらに、「著作財産権」は、複製権などの複数の権利の束ですが、これらは別々に譲渡することも可能です。

Aさんには複製権を、Bさんには翻訳・翻案権を... という感じです。

これらを明確にしておかないと、誰がどの権利を持っているのか、分からなくなることも多くなります。


結局、ある著作物を利用したい! と思って、権利者の調査をしても(というか、そもそも権利者を探さないといけない、ということじたい、メンドクサイ話です。)誰に権利があるか分からない、ということになってしまいます。

(特許権や意匠権、商標権は、誰が権利者かということは、(権利者の調査と言っても)登録原簿を見れば分かります。しかし、著作権の場合には、登録制度はあっても権利発生の要件にはなっていませんので、特許権等のように権利者がひと目で分かるようなものではない、ということです。)


譲渡する場合でも契約書がしっかり作成されていれば、このような問題も減ると思われますが、口約束で済ませてしまったり、曖昧な書面しか作成していないのが実状です。


で、「著作権者って、誰やね~んっ!?」となって、使えない著作物がいっぱい出てくるわけです...


メンドくさがらず、著作権についてはきっちり契約書を作成しましょう! ご相談、ご依頼は、こちらから。


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