知的財産権の中でも、著作権(法)はメンドクサイもののように思われます。
どういう点が‘メンドクサイ’のか?
他の知的財産権とも比較しながら見ていきたいと思います。
今回は「著作者って誰やねん」ということで、改めて「著作者」についてみていきたいと思います。
まず、著作権法の定義から見ると、
著作者とは、「著作物を創作する者をいう。」
と書かれています。
非常にシンプルですね。
さらに、
著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」
と書かれており、特に前半部分が重要です。
ところで、重要になるのは、「創作」や「創作的に」という部分です。
これについては、
・ 創作者の個性が表れていてればよい
・ 完全な独創性までは求められていない
・ 学術性・芸術性の高さは問題とされない
とされています。
さて、厄介なのは、ある作品(著作物)の創作に複数の人が関わった場合、誰が「創作的に」関与したか(寄与したか)という点の判断が難しい点にあります。
例えば、指示されたとおりに動いただけ、とか、お金を出して「○○を作って」と依頼しただけであれば、創作性は認められず、著作者にはなり得ません。
一方、なぜ「誰が著作者か」ということが問題になるのかというと、原則的には著作者が著作権者になるので、権利発生の判断にとって重要になるからです。
さらに、他の知的財産権には認められていない「著作者人格権」という権利があるからです。
著作者人格権は、著作財産権(一般的に、著作権と言っていますが)を譲渡しても、著作者に残ります。
創作的に関与した人が複数いる場合、作品は共同著作物となり、著作権は共有となります(映画の著作物の場合を除きます。)。
一般的に、共有著作物は利用しにくくなります。
メンドクサイのは、上述のとおり、誰が創作的に関与したのかという判断です。
これは、ある程度は契約で処理することが可能です。
事前に複数の人が関与するような場合には、あらかじめ権利処理の契約をしておくことをおすすめします。
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