2016年7月27日水曜日

「二次利用(二次使用)について」 ~ 「許諾の範囲外」と、許諾か譲渡か

クリエイターの方から、納品した自分の成果物が「二次利用(二次使用)」されている、という相談を受けることがあります。


まず知ってほしいことは、
著作権法には「二次利用(二次使用)」という文言は出てきません。


では、クリエイターの方がいう「二次利用(二次使用)」とは何なのでしょうか?


クリエイターの方のいう「二次利用(二次使用)」の具体的事例についてお伺いしていると、次のような事例が多いようです。

・ 「印刷物」という利用目的で納品したのに、「Web」でも利用されている
・ 販促用として「A」に利用するために作成・納品したのに、関係のない「B」にも使われている


これらを著作権法的に考えると、「利用許諾の範囲外」での利用と考えることができます。

但し、注意が必要なのは、成果物を納品する際に「全ての著作権を譲渡する」という契約(合意)をしていることが多く、この場合にはこの「範囲外」での利用ということは通常考えられません。

なぜなら、著作財産権を譲渡する場合、その利用について制限を設ける(利用の範囲を設ける)ということはほとんどなく、したがってその利用は自由だからです。
(もちろん、譲渡できない著作者人格権の問題が残ります。)


利用の許諾(もっと簡単にいうなら、「これ、使っていいですよ」レベルの話だと思います。)をする際、もしその範囲を決めていたのであれば、その範囲を越えて利用することは契約違反になります。


例えば、
 ・ 利用目的は「印刷物」
 ・ 販促用として「A」に利用

という契約(合意)をした場合に、「印刷物」以外に利用する行為、又は「販促用 A」以外に利用するという行為は、契約に反することになります。


さらに注意したいのは、「印刷物」でも、パンフレット「X」だけだと思っていたら、チラシ「Y」にも使われたという場合、「許諾」の範囲内か、範囲外かで問題になることがあります。


利用許諾の範囲外での利用ということであれば、契約違反であるという点と、その行為については著作財産権の侵害行為ということになると考えられます。


例えば、パンフレット「X」だけの利用で利用許諾(複製権の許諾)をしたのであれば、チラシ「Y」に利用したのであれば、複製権の侵害になると考えられます。


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一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務) 高木泰三行政書士事務所

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