2016年4月22日金曜日

著作権と、著作権でないものと ~ 著作権の「ある・なし」と利用

あるものを作ったり書いたりしたものについて、「著作権があるかないか」という点と、「それを利用する」という点は、著作権法にとどまらない、複雑な問題があります。

ここにはある種の‘誤解’のようなものがあるようにも思っています。


著作権のあるもの(著作物)を利用する場合には、その著作物を利用する場合には権利者の許諾等が必要です。

権利者とは、著作財産権や著作者人格権を有する者のことです。

単純に複製をするだけであれば、著作財産権の複製権を有する者からその許諾等を得る必要があります。

一方、翻訳翻案など改変をするようなケースでは、
著作財産権の翻訳翻案権だけではなく、
著作者人格権である同一性保持権が関わってきます。

そして、通常、(著作財産権の)権利者に対して許諾料(ライセンス料)や譲渡対価が支払われる、ということになります。

では、著作権がないものの利用の場合はどうなるのでしょうか?

 著作権法上、保護される著作物でもないし、著作権は生じていない。
従って、
 許諾等は必要ないから、勝手に使っていいでしょ! 

ということを言われる方もいらっしゃいます。


しかし、ある人は作ったり書いたりしたものは、その人の「財産」と考えることもできます。
それを作ったり書いたりする場合に、多大な労力を費やしていることもありますし、場合よっては費用もかかっていることがあります。


他人の財産を勝手に持って行く行為は窃盗になりますし、勝手に使う行為は横領に当たります。


つまり、著作権がないものであっても、それを利用するにはそれを所有する人の許諾が必要になるわけですが、それは著作権法上の問題ではなく、民法上の問題になります。


時々、「著作権がなかったから、許諾も必要なく、勝手に使えるよね!?」と聞かれることがあるのですが、それはあくまでも著作権法上のことである、ということをご理解いただきたいと思います。


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一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務) 高木泰三行政書士事務所
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