納入したデザインが勝手に変えられた、という話は、デザイナーさん(クリエイターさん)からよく聞きます。
(著作権を譲渡しないケースの)契約で、「成果物の納入後、発注者側(クライアント側)で変更が可能」と、「著作者人格権の不行使」を決めていることも多いと思います。
では、これらの規定があれば、どのような変更も可能なのでしょうか?
デザインの変更は、場合によっては「翻訳・翻案」になり、デザインを勝手に変えることは翻訳・翻案権の侵害になります。
ただし、「成果物の納入後、発注者側(クライアント側)で変更が可能」という契約をすれば、この権利について許諾をしたことになります。
一方、著作者人格権には「同一性保持権」という権利があり、これは「俺の著作物を勝手に変えるな!」と言える権利です。
では、翻訳・翻案権について許諾し、著作者人格権の不行使を決めた場合には、どのような変更(改変)も認められるのでしょうか?
そうではありません。
たとえ著作財産権の不行使特約を定めていたとしても、著作者の「意に反する改変」は認められないとされています。
ただ、この「意に反する改変」のライン(どのような改変が「意に反する」に該当するか)は、法律上明確にはされていません。
そこで、何らかの制限を設けるなど、当事者間で契約するしかありません。
実際の契約としては、著作者が変更(改変)内容について事前にチェックできるようにしておくことが望ましいでしょう。
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