2015年9月14日月曜日

著作権が共有になる場合の注意点 ~ 使いづらいコンテンツは、使ってもらえない(のでは...)

ある作品を作る際、数人のクリエイターが関わる場合があります。

クリエイター各自が創作的に関与していると、それぞれのクリエイターが著作者となり、著作権は享有となります。

ここで一つの問題が、「クリエイター全員が著作権を持ちたがる」ということがよくあることです。

そうすると、一つの作品について、多くの著作権者が存在する状況になります。

著作権を持つことそのものが悪い、ということではないのですが、別の観点から少し考えてみたいと思います。


端的に、作品(コンテンツ)を利用・活用してもらう、ということは、つまり著作権の許諾をすることです。

著作権が共有になっていると、その作品(著作物)を利用する際には、著作権者全員の許諾が必要になります。

利用したい側からすると、非常にメンドクサイものです。

一人でも許諾しなかったり、連絡が取れなかったりした場合には、利用することが難しくなります。

また、著作権は相続財産になりますので、共有者の一人が亡くなればその相続人に相続され、相続人が多い状況で法定相続により相続されると、著作権者が増えていくことになります。

最悪の場合、誰が著作権者か分からない、ということになりかねません。


作品(著作物)は、利用されなければ利益を生まないのですが、(権利的に)利用されやすくする、ということも重要です。


著作権という権利を持っていても、それを利用・活用しなければ、利益は生み出さない。
(経済面・経営面から考えれば)利益を生まない権利は持っていても仕方がない、ということになります。
(著作権の場合、登録のための費用や、権利維持のための年金が不要なため、あまりそういう感覚がないのかもしれませんが。)

「著作権」を譲渡したからといって、「著作者」でなくなるということはありません。

その人が創作した、という事実は変わらないわけです。


著作権が共有になる場合でも、利用された場合の利益分配についてしっかり契約しておいて、著作権は誰か一人に集中させる(著作権の譲渡契約をする)ということも検討すべきではないでしょうか。



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一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務)  高木泰三行政書士事務所



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