2016年12月2日金曜日

写真の「著作権」の分かりにくさとは

「写真の著作権」は分かりにくい、という話をよく聞きます。

分かりにくい理由の一つは、「著作権」だけではなく、様々な権利が絡んでいるので、使いたい写真(画像)を見ただけでは、本当に問題なく利用できるものかどうか分からない、という点です。

(目の前にある)写真(画像)には、それを撮った人の著作権があり、権利者からの利用許諾又は権利の譲渡が必要であろうということは想定できます。

しかし、写真(画像)に係る権利はその写真(画像)の著作権だけではありません。

2016年11月29日火曜日

著作権・著作物に関する契約 ~ 契約が必要な場合と契約で注意したい点(4):著作物の特定

著作財産権の利用許諾(ライセンス)及び譲渡について注意する点がいくつかあります。

今回は、
「著作物の特定」
についてです。

ライセンスや権利譲渡をする場合、著作財産権のどの権利を対象にするか、ということも重要ですが、どの著作物を対象(範囲)とするか、という点も重要になります。

2016年11月22日火曜日

これも著作物 : 地図

著作権法において保護される著作物とは、
 「思想又は感情を創作的に表現したもの」であって、
 文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

とされています。

著作物か否かは、「表現されたもの」を個別具体的に見て判断していくことになります。

著作物性の判断としては、「創作性」が問題となります。

2016年11月2日水曜日

著作権・著作物に関する契約 ~ 契約が必要な場合と契約で注意したい点(3)-④:契約の当事者

著作権に関する契約する場合に、契約の当事者として注意する必要があるのは、

契約をする権限があるのか
つまり
権利を有しているのか

という点です。

著作権に関する契約の対象となる権利は、著作財産権になりますが、これは譲渡することができます。

そうすると、対象となる作品等の創作者(著作者)には著作権(著作財産権)がないという場合があります。

2016年10月27日木曜日

【告知】12月6日 著作権に関するセミナーを開催します!(沖縄・那覇)

2016126日に、沖縄で著作権に関するセミナー
「写真の著作権 ~ 被写体 撮る人 使い方 ~」
を開催します。

写真の著作権については、よく「分かりにくい!」と言われます。

写真(画像)は、様々なところで利用されていますが、たしかに著作権実務の中では「写真の著作物」の権利関係は分かりにくいもののひとついえます。


なぜ分かりにくいのか?

それは、写真には著作権だけではない権利が関係しているから、ということができます。

今回のセミナーでは、そんな写真に関する著作権や、著作権以外に絡んでくる権利関係についてお話しします。

写真を撮るとき、写真を利用するときに注意したい点についてお話しします。


本セミナーは、2016915日に大阪で開催したセミナーに少し改変を加えて実施するものです。
同セミナーの実施報告は、こちらのブログに掲載しています。



セミナーは事前申込制です。

開催場所、お申込み等は、こちらをご覧ください。



著作権に関すること、著作権の契約書作成のご相談やご依頼は、こちらの相談フォームか、メール(infoあっとtakagi-office.biz)からどうぞ。

一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務) 高木泰三行政書士事務所
















#行政書士 #著作権 #著作物 #著作財産権 #著作者人格権 #契約
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2016年9月23日金曜日

9月15日開催 「写真の著作権 ~ 被写体 撮る人 使い方」の開催報告

9月15日に開催した「写真の著作権 ~ 被写体 撮る人 使い方」の開催報告を、弊事務所のブログに掲載しました。


当日は、具体的な質問もいくつかあり、参加いただいたみなさんの関心の高さと、普段のお仕事でいろいろな疑問や問題に直面していることが窺えました。

2016年9月14日水曜日

2016年8月23日火曜日

著作権・著作物に関する契約 ~ 契約が必要な場合と契約で注意したい点(3)-③:ライセンス又は譲渡する著作物の範囲

著作権を活用する、ということから考えると、
 著作財産権の利用許諾(ライセンス)
 著作財産権の譲渡

という方法があります。

契約をする際に注意したい事項。

今回は、
 (3)ライセンス又は譲渡する著作物の範囲
についてです。

2016年8月16日火曜日

著作権・著作物に関する契約 ~ 契約が必要な場合と契約で注意したい点(3)-②: ライセンスする範囲

著作権を活用する、ということから考えると、
 ・ 著作財産権の利用許諾(ライセンス)
 ・ 著作財産権の譲渡

という方法があります。

利用許諾(ライセンス)をする場合には、いろいろなバリエーションがあります。

今回は、
 (2)ライセンスする範囲
についてです。

2016年8月11日木曜日

【告知】9月15日 著作権に関するセミナーを開催します!(大阪・扇町)

2016915日に、メビック扇町で著作権に関するセミナー
を開催します。


写真の著作権については、よく「分かりにくい!」と言われます。

写真(画像)は、様々なところで利用されていますが、たしかに著作権(実務)の中では「写真の著作物」の権利関係は分かりにくいもののひとついえます。


なぜ分かりにくいのか?

2016年8月10日水曜日

著作権・著作物に関する契約 ~ 契約が必要な場合と契約で注意したい点(3)-①:著作権の利用と著作財産権の種類

著作権を利用(活用)する、ということから考えると、
・ 著作財産権の利用許諾(ライセンス)
・ 著作財産権の譲渡

という方法があります。

利用許諾(ライセンス)は、著作権者に権利を残したまま、著作権の行使を認めることです。
これに対して譲渡とは、著作財産権を第三者に譲渡することで、原則として著作権者に権利は残りません。

ライセンス、又は譲渡の契約をするにあたっての重要ポイントは、次のような点です。
 (1)ライセンス又は譲渡する著作財産権の種類
 (2)ライセンスする範囲
 (3)ライセンス又は譲渡する著作物の範囲
 (4)当事者(ライセンサー、ライセンシー)の確認、確定

順に説明していきます。

2016年8月2日火曜日

二次利用(二次使用)について ~ 「許諾の範囲外」と二次的著作物

二次利用(二次使用)に関係することで、著作権法では、「二次的著作物」というものがあります。

ある著作物αに、その著作者とは別の者が創作性を加えて別の著作物βを創作した場合、αを原著作物、βを「二次的著作物」といいます。


二次的著作物を創作する場合、原著作物を翻訳・翻案等(あるいは、改変)をすることになりますので、原著作物の著作者・著作権者の許諾が必要になります。

2016年7月27日水曜日

「二次利用(二次使用)について」 ~ 「許諾の範囲外」と、許諾か譲渡か

クリエイターの方から、納品した自分の成果物が「二次利用(二次使用)」されている、という相談を受けることがあります。


まず知ってほしいことは、
著作権法には「二次利用(二次使用)」という文言は出てきません。


では、クリエイターの方がいう「二次利用(二次使用)」とは何なのでしょうか?

2016年7月19日火曜日

著作権・著作物に関する契約 ~ 契約が必要な場合と契約で注意したい点(2):権利者が複数になる場合

著作権の課題の一つとして、権利者が不明確になりやすい、という点があげられます。

そのようなケースとして考えられるのが、創作にあたって「多くの人が関わる」ことになる著作物です。

例えば、映画の著作物が考えられます。

映画の著作物の場合、監督、演出、撮影、美術等を担い、映画の著作物の「全体的形成に創作的に寄与した者」が著作者とされています。

一方、映画の著作権については、その著作者が映画製作者に対し製作に「参加することを約束」しているときは、当該映画製作会社に帰属する、と規定しています。

映画の著作権については、映画製作者に権利が集約されるような法制度になっています。

しかし、それ以外の著作物の場合にはそうはなっていません。

2016年7月15日金曜日

【告知】10月4日 沖縄でクリエイター向け契約に関するセミナーを開催します!

2016104日に、沖縄でクリエイター向けセミナー
「クリエイターのための契約と契約書の基本」
を開催します。


クリエイターやデザイナーなど、クリエイティブ活動を「ビジネス」として行う場合、「契約」は不可欠です。

2016年6月6日月曜日

著作権・著作物に関する契約 ~ 契約が必要な場合と契約で注意したい点(1):概論

著作権に関しては、特に契約が重要であることは、よく言われることです。
(ビジネス一般において、契約が重要であることは論を待ちませんが...


著作権、特にその利用という観点から見て、契約が重要であるというのは、著作権法がその観点からの規定になっていないということがあげられると思います。


このような権利があるよ、ということは規定されていますが、それをどのように権利処理をし、活用いていくかは、権利を有している者や権利を利用しようという者に委ねられているのです。

2016年6月4日土曜日

【告知】7月5日 沖縄で著作権に関するセミナーを開催します!

7月5日に、沖縄で著作権に関するセミナー

「著作権の基礎と、著作権の考え方の基本」
(守る著作権 活用する著作権)

を開催します。

2016年5月27日金曜日

著作権の考え方の基本 ~ 真似をすること、利用すること(後編)

前回書いた「著作(財産)権についての考え方」はとても重要なことで、
これは、

自分の作品が勝手に使われている
あるいは、

 自分の作品を利用する

という点からも考える必要があります。

著作権の考え方の基本 ~ 真似をすること、利用すること(前編)

著作権というものについて、改めてその考え方について書いてみたいと思います。


著作権、と聞くと、どのようなイメージを持たれますか?

作品を創作した人に生じる権利
ということがまず思い浮かぶでしょうか?

あるいは、侵害という面から、
勝手に他人の作品を真似したり、パクったりしてはいけない
ということを思い浮かぶかもしれません。

そして、その逆の立場で、
自分の作品を勝手に使われるのは嫌だ

というのがあるかもしれません。

では、「なぜ勝手に使ってはいけない」のでしょうか?

2016年5月10日火曜日

著作権と、著作権でないものと ~ 著作権でも意匠権でもない

クリエイターやデザイナーの仕事の幅はかなり広いものと思いますが、その仕事の成果物が、著作権法でも意匠法でも保護されない、という場合があります。


つまり、「著作物」でもないし「意匠」でもない、ということです。


この点については、クリエイター等の皆さんにも誤解(?)があるようで、クリエイター又はデザイナーである自分の成果物は間違いなく著作権で保護されている、と考えている方が少なくないように思います。

「小規模事業者持続化補助金」の公募について

現在、「小規模事業者持続化補助金」の公募が行われています。

これは、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者の販路開拓の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。

販路開拓の取り組みとは、創意工夫による売り方やデザイン改変等で、次のようなものが対象になります。

2016年4月22日金曜日

著作権と、著作権でないものと ~ 著作権の「ある・なし」と利用

あるものを作ったり書いたりしたものについて、「著作権があるかないか」という点と、「それを利用する」という点は、著作権法にとどまらない、複雑な問題があります。

ここにはある種の‘誤解’のようなものがあるようにも思っています。

2016年4月7日木曜日

パブリックドメインとは

著作権の存続期間(保護期間)が満了したもの、あるいは著作権が消滅したものをパブリックドメインpublic domainということがあります。


著作権がある著作物を、権利を有さない者が利用したい場合には、著作権を有する者から利用許諾(ライセンス)を受けるか、著作財産権を譲渡してもらう必要があります。


一方、存続期間を満了した著作物、著作権が消滅した著作物については、そのような利用許諾や譲渡を受けることなく、自由に利用することができるようになります。
著作権を放棄した(権利行使をしないことを表明した)場合にも、利用することができます。
(但し、ネット上のいわゆる「フリーコンテンツ」については、注意が必要です。)

著作権が消滅するというのは、著作権者に相続人がいない場合です。

著作権(著作財産権)も相続の対象になる(相続財産になる)のですが、相続人がいない場合、民法上の規定では、「国庫に帰属する」とされています。
しかし、著作権の場合、「国庫に帰属する」ような場合には、著作権は消滅するとされています。

著作権者が法人の場合で、その法人が解散するという場合も同様です。

パブリックドメインとなった著作物については、自由に利用することができるのですが、注意する点があります。

2016年4月6日水曜日

江戸川乱歩作品の著作権存続期間満了 ~ 期間の計算方法

ネットでのニュースにも流れていましたが、江戸川乱歩の作品が「青空文庫」で公開されたそうです。

あるニュースサイトでは、
「2016年の11日に著作権が失効しています」と書かれていました。

江戸川乱歩が亡くなったのは、1965年7月28日です。
著作権は、著作者の死後50年存続する、ということなので、2015年7月27日には存続期間は満了しているんじゃないか?
と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

2016年3月31日木曜日

テレビ放送とネット配信

今年の選抜高校野球は、いよいよ今日が決勝戦です。

テレビやラジオで楽しんでおられる方、大勢いらっしゃると思います。

ところで、このセンバツ、毎日放送(MBS)のサイトから、「センバツLIVE!」としてネット配信されているのをご存知でしょうか。

このネット配信を見ていて、ちょっと興味深い場面がありました。

2016年3月20日日曜日

著作権・契約に関するセミナーを開催しました

去る2016318日、

「デザイナーのための守る著作権 活用する著作権 〜契約から見る著作権、著作権から見る契約〜」

題したセミナーを開催しました。


内容としては、おそらくこれまでにない「著作権の活用」という観点を中心にしたものでした。

また、クリエイター(デザイナー)にとっては全てがHappyという内容ではありませんでしたが、概ね好評いただいたのではないでしょうか。

2016年3月8日火曜日

契約の、「その後」の流れ

契約というのは、契約の「締結」と、契約の「履行」について考えておく必要があります。

契約を...、というと、つい「契約書のひな型は...」となってしまいがちですが、そうすると契約の「履行」ということを忘れてしまします。

契約とは、「権利と義務」に関する合意といっていいと思いますが、この「義務の履行」が完全になされて、契約が終了することになります。

この契約の履行についての流れを見ておきましょう。

もし、相手方が契約の履行をしてくれない、という場合を考えます。

2016年3月7日月曜日

知的財産権の活用 ~ 著作権とその他の権利との違い

知的財産権については、「知的創造サイクル」という考え方が提唱されています。

つまり、
 知的創造 → 権利取得 → 権利活用 → 知的創造 …
という流れを繰り返していくものです。

2016年3月2日水曜日

【告知】3月18日 著作権&契約に関するセミナー開催

この度、著作権と契約に関するセミナーを開催することになりました。



日時:2016318日(金) 18:3020:00
   (大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM10F)


「著作権」と、これに深くかかわる「契約」についてお話しします。

今回は、「著作権の活用」という観点から考えてみたいと思います。


このブログでも、著作権(知的財産権)の活用について書いていますが、実際にはなかなか難しい側面もあるのも事実です。


また、これもこのブログでは書いているところですが、
 契約 と 契約書 の‘違い’
が、一つのテーマでもあります。


・ 著作権とは何か?
・ 契約とは何か?
・ 契約と契約書の違いは何か?
といったことをお話しする90

‘現場’からのいろいろなご意見もいただきたいと思っています。




著作権に関すること、著作権の契約書作成のご相談やご依頼は、こちらの相談フォームか、メールからどうぞ。
メールアドレスは、ホームページをご覧ください。


一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務) 高木泰三行政書士事務所

2016年2月4日木曜日

契約書のひな型 ~ こんなところにも注意!

契約書のひな型を見ていると、ときどき「なんじゃこりゃ?」という内容に出くわします。

今回は、その中でも著作権に関する例をご紹介します。


X(委託者)がY(受託者)に対し、著作物となり得るAの制作を委託する契約をします。

上記のように、
 X=委託者 (委託料を払う)
 Y=受託者 (制作をする)
という関係です。

このような場合、制作したAの著作権はYにあります。

Xが著作権者になるためには、Yからその譲渡を受ける必要があります。


今回の契約では、著作権の譲渡はせず、著作権は引き続きYにある、と契約することにしたのです。

そのようなケースで、とある契約書のひな型に書かれた条項は...

「Aに関する著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む。)は、~中略~、Yに帰属するものとする。」

というものです。

2016年1月25日月曜日

3Dプリンターに関する著作権の概要メモ(1)

3Dプリンターが注目されていますが、3Dプリンターを使って立体物を制作する場合の著作権について考えてみたいと思います。

3Dプリンターを使って立体の物を作る場合、
 (1)元となるものが立体物で、これをスキャンして同じような物を作る
 (2)元となるものが平面の絵などで、そこから3DCADなどで3Dデータを作成して作る
 (3)完全にオリジナルなものを作る(元になるものがない)
という3通りのケースがあると思われます。

それぞれのケースについて著作権の側面から考えてみたいと思います。

2016年1月6日水曜日

利用してこその著作権...~ 「守る」だけでなく、「利用」を考える

日本の大手家電メーカー等では、たくさんの「使われていない特許」があるといいます。

実際に商品に利用する特許だけでなく、その特許を守るために関連する技術について特許を取得したりするので、実際には使わない特許も多くあるからです。

大手企業がたくさんの特許を有しているのは、上記のような理由や、使うための特許とは違う点で特許出願を奨励している、ということもあるようです。

さて、翻って著作権ですが、これについてもしっかり利用できているとは言い難い状況です。

2016年1月5日火曜日

著作権と、著作権でないものと ~ 被写体の権利

ある事柄が、どのような権利に絡むことなのか、ということについては、権利を守るうえでも、権利を活用するうえでも重要なことになります。

写真や映像でよく問題になるのが、被写体の権利です。

写真を撮っていいのか、あるいはその写真を利用することができるのか、といったことにも関わってきます。

2016年1月4日月曜日

著作権の基本(10)~著作権について考えるポイント

著作権というのは非常にややこしい点が多いのが、他の知的財産権との違いであるともいえます。

特許権や意匠権、商標権に比べ、身近な権利であるにも関わらず、あまりよく理解されずに、間違った情報や考え方で書かれているものも時々目にします。

そこで、改めて著作権に関することを考えるためのポイントを確認しておきたいと思います。

最低限のポイントとして、大きく3つあります。
 1)著作物か否か
2)著作者・著作権者は誰か
3)保護期間(存続期間)

それぞれ簡単に見ていきます。