2015年11月13日金曜日

権利が「ある」ことと「守る」こと

権利というものについて、ある種の誤解があるように思っています。


この場合の「権利」とは、憲法に規定されているような人権ではなく、知的財産権など民事法で規定されている財産権や債権についてです。


例えば、民法では債権という権利を規定していますが、これは、例えば契約の成立によって、債権(そして、それに対する債務)が生じますよ、ということを示しています。


つまり、契約が成立することによって、一方当事者に「債権(という権利)がある」ということを示しています。

しかし、この権利を守る、ということになれば、話は別です。

例えば、債権者がその権利を行使しなければ、その権利(債権)は消滅し、権利主張ができなくなります。
これを一般的に時効といっています。(消滅時効とか、時効による消滅、といういい方をします。)

つまり、自分の権利を守ろうとしなければ、法は保護してくれない、ということです。

あるいは、裁判をしたとしても、債権があるという勝訴判決を得ただけではだめで、その後の執行手続きを踏まないと、実際の強制的な取り立てはできません。

これも、権利が「ある」ことと「守る」ことの違いの表れの一面だと考えています。

この、権利が「ある」ことと「守る」ことの違いを理解しておく必要があります。

権利が「ある」からといって、誰かが勝手に(?)「守」ってくれるものではなく、自分で「守る」ように努力しないといけない、ということです。


著作権も、知的財産権といわれるように、財産権の一つです。


著作権という権利は、著作物を創作した時に自然に発生するものですが、これを「守る」となれば、それなりの努力が必要となることは、上記のとおりです。

権利を「守る」のは、他の誰でもない、権利が「ある」者自身なのです。


著作権の契約書作成のご相談は、こちらからどうぞ。

一級知的財産管理技能士(コンテンツ) 高木泰三行政書士事務所



0 件のコメント:

コメントを投稿