他人の著作物を利用する際にしばしば出てくるのが「引用」という言葉です。
著作物を利用するには、原則として著作財産権の譲渡を受けるか、利用許諾(ライセンス)を受けるかのいずれかの方法があります。
その例外が、「著作権の制限」です。
例えば、レンタル屋さんで借りてきたCDを、自分のiPodにダビングするのにいちいち著作権者の許諾を得なければならない、としたら非常に煩わしいですよね?
このような利用の場合は「個人利用のための複製」ということで、許諾は必要ないとしています。
著作権者からみると、許諾なく利用されるということで、複製権の制限を受けている、と考えられます。
これを「著作権の制限」と言います。
さて、この「著作権の制限」の中に規定されているのが「引用」というものです。
「引用」とは、非常に簡単に言うと「他人の著作物を自分の著作物の中で利用すること」となります。
例えば、自分の論文の中に、他人の論文の一節を入れて、自分の主張を強調したり、反論をしたりすることがこれにあたります。
このような利用について、法律の規定の範囲内であれば、著作権者の許諾は不要です。
これまで、「引用」と認められるためには次の要件を満たすことが必要であるとされてきました。
・ 「引用して利用する著作物」と「引用されて利用される著作物」の間に、明瞭に区別して認識できる
・ 主従の関係がある (引用する側が「主」で、引用される側が「従」である。)
・ 出所の明示が必要
二つの写真を合成した、いわゆる「パロディ写真」について、このような要件を示して「引用にあたらない」とした裁判が有名です。
最近の裁判所の考え方は少し変わってきていると言われていますが、ある程度参考になるものと思われます。
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